エンディングノート3−1(記入内容と注意点)

終活では、「健、財、守」の3点が重要です。

●「健」は健康面、つまり心身の状態、持病、かかりつけ医、介護施設等や運動や趣味のことを考えます。
①現在までの病歴、かかりつけ医(の連絡先など)、常備薬の保管場所などを書いておきます。さらにノートに記入したあとは、その部分をコピーするなどして、他の人(家族、救急隊員など)がすぐに見れる玄関の場所、寝室の扉、冷蔵庫や電話等の場所に貼っておくことが大切です。
②もしもの場合、延命治療をするかしないか、余命宣告を告知してほしいかしてほしくないか、その理由を明確にして書き残すことが重要です。例えば余命があと少しとなれば、ぜひとも会っておきたい友人、知人等の方がいらっしゃることもあります。そういった理由で告知をしてもらいたいと書いておかないと、ご家族はご本人をがっかりさせてはいけないと思い最後まで告知をしないかもしれません。延命治療もご家族は1日でも長く生きていてほしいと思っているかもしれません、ご本人としてはもしかすると延命治療の意味がないと思っていて本当はやめてほしいと思っているかもしれません。その場合はかなり強くその意思を書きとめておかないと伝わらないでしょう。

●「財」は財産面です。財産は不動産を含め、生前に整理したり活用したりまたそれらに関連する税法や民法、信託法などの基本的なことを知っておくことが大切です。

動産 預貯金、有価証券、借入金、連帯保証、自社株式など
不動産 車、自宅、別荘、事業場、その土地など

(動産) 預貯金、有価証券などは、その金融機関名、種類、口座・証券等番号、インターネット銀行などのIDなどを記入しますが、銀行等の「パスワード」や通帳、印鑑等の「保管先」は書いてはいけません。また預金残高や株式数等等も書かない方が良いと思います。これらを記入しておくと万一生前に勝手に引き出されたり、家族が要らぬ想像をしてもめる可能性があるからです。財産をあてにする家族がいるかもしれません。また、口座から「定期的」な会員費、使用料などの引き落としがあるものもあります。これらはどういうものであるその詳細も記入しておけば、解約、退会をするときに便利です。解約、退会が遅れると返金されず無駄なお金を支払ってしまうかもしれません。
 借入金や連帯保証に関しては、もしもの場合、プラスの財産と同じく「相続」されますので、エンディングノートに書かない場合は、他の方法で伝えておく必要があります。ちなみにご遺族(相続人)がご本人(被相続人)が亡くなったことを知ってから3ヶ月経つと「単純承認」といって、プラスの財産もマイナスの財産も承継することになります。
(不動産) 土地建物に関しては、どこにどのような土地や建物があるかを書いておきます。固定資産税を払っていない土地等であれば、それがあること自体がご家族にわからないことがありますので、少なくともその情報を記入します。動産と同様その金額、面積等の情報は必要ありません。いずれにしてももしもの時は土地は路線価等その時に確認することができます。
 家財や趣味などの持ち物は生前整理をすることが重要ですが、それらがご本人のものではなく、誰かからの預かりものであったり、レンタル品である場合は、もしもの場合ご家族が誤って処分してしまう可能性があります。またレンタル倉庫等を借りていて、その中にご本人の所有物があるかもしれません。愛着のあるものは形見分けとして特定の誰かに残したいということがあるかもしれません。そう言った情報も忘れずに書いておきましょう。可愛いペットを誰かに託そうかと考えペットの性格、好み、体調等記入されるかもしれませんが、事前にその人に伝えて了承してもらうことが重要です。

●「守」は見守り、身元保証、任意後見、保険を表しています。お一人様やご親類が遠くにいるが1人暮らしをしている方に対する「見守り契約」をされている場合その内容、将来認知症などを心配されて「任意後見契約保」などをされている場合その内容、保険に加入されている場合の種類などを記入しておきます。特に保険は種類が多く複雑で、記入することも困難な場合は、証券をきちんと保管してそれを参照すれば良いでしょう。

●証券、契約書等の保管場所
 保険証券、通帳、見守り契約書、任意後見契約書、金銭消費貸借契約書、不動産賃貸契約書、不動産登記簿謄本などは安全な場所にきちんと保管しその場所を記入しておくべきですが、知られたくないものは別の方法で誰かに伝えておく必要があります。

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